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アラフォーで会社を辞めさせられ、未来が見えないニート(という名の自営業)が奮闘したりしなかったりするブログです。

「タコピーの原罪」がすごすぎる……13話までの感想(ネタバレ注意)

今日コミックス上巻が発売された話題作「タコピーの原罪」。
ウェブ上では、丁度13話が更新されています。

私も丁度コミックス発売直前に読み始めたので、布教(?)がてら感想をば。
普通にネタバレしているので、自分が読むまでネタバレを見たくない!
という方は回避してください。

少年ジャンプ+で、始めの方と最近の数話が無料で読めるようになっています。
※衝撃的な描写がありますので、心が弱っている方やあまりそういうのが好きじゃない方はご注意ください(無理しないでね)

shonenjumpplus.com

私はタイミングがよかったのか、全話読めたのですが、こんなに衝撃的な内容だったとは…と思いました。

まず、登場人物の親たちが揃いも揃って毒親。
それが子供に祟って、問題が起きているんだなという印象でした。
そこに人間社会の事なんて何も知らないハッピー星人のタコピー(しずかちゃん命名)が、ハッピーを広めるためにやって来たのでさあ大変。
見事にロクなことになりません。

母子家庭で放置されているしずかちゃんは、学校ではいじめを受けて心を閉ざしている小学四年生の女の子。
小さい頃に家を出ていったお父さんが残してくれた犬のチャッピーだけが、唯一の心の拠り所。
けれど、いじめ主犯のまりなちゃんの姦計によって、チャッピーは人を襲った犬として殺されてしまいます。
しずかちゃんは絶望、何も分かっていないタコピーが出したハッピー道具の仲直りリボンで首を吊って死んでしまいます。
分からないなりにタコピーは悲しみ、しずかちゃんを助けて笑顔にしたいという一心で、写真を撮った時間に戻る事ができるハッピーカメラを使ってループの道を選んだのでした。

……というのが、第一話のあらすじなのですが。
何も知らないで読んだら、初っ端から重たいボディブローを食らった感じです。
私はTwitterにあった、内容を出さないなりに不穏な感想を見ていたので、ちょっと怖いなと思いながらすぐには読みに行けなかったんですよね。
そのうち気になる考察などが流れてきて、重い腰を上げた訳ですが…
いやはや、想像通りダークで救いのない展開が続くお話でした。

まりなちゃんがしずかちゃんをいじめる理由も、なんとまりなちゃんの父親がしずかちゃんの母親がホステスをしているお店に入れ込んでいるせいで、しずかちゃんは何も悪くないのです。
だというのに、あんなに悪質な、というより血も涙もない事をしてしまうので、13話で悲しい結末を迎えても「自業自得じゃん」と思うしかなく…

本当、いじめっていじめ加害者に問題があるんだよなぁ、というのをまざまざと見せつけてくれるなという感じ。

13話では、元々タコピーは2022年のまりなちゃんの許にやって来て、ハッピー星に帰れなくなる掟破りをしてまで「しずかちゃんを殺すため」に記憶を失いながらも2016年に時を遡った事が明かされた訳ですが…

結局これ、タコピーがいようがいまいが、遅かれ早かれまりなちゃんは死ぬんだなぁ…と。
(自殺かタコピーに撲殺されるかの違いはあっても)
まりなちゃんがしずかちゃんにしてきた事自体は許されないし、6年後も全く反省なく「ちゃんと殺さなきゃだった」とか言ってしまうので同情の余地はないんですが…
彼女は彼女で、両親からの(物理的・精神的)虐待の被害者ではあるんですよね…。
本当、いじめはいじめる方に問題があるんだよ(大事なことなので二回)


 

結局これ、2022年時点で母親に殺されそうになって逆に殺してしまったまりなちゃんを、タコピーがハッピー星に連れて帰るしか正解はなかったんだろうなぁと思いました。
そうすればタコピーも掟を破らずに済んだし、犠牲も最小限だったのに、何も知らないが故に余計な事しちゃった感。

記憶を取り戻したタコピー、誰が、何が本当に「悪」なのか分からなくなって泣いてしまうのが可哀想だとは思うけど、そもそもタコピー自身がこんなに何も知らなすぎる状態で環境の悪い子供たちの許に来ちゃったのが元凶なような…
ジャンルが違えば、もっとほっこりしたお話になってただろうにね。
でもそういうところが「タコピー」なんだろうなぁ。

さて、単行本は上下巻の刊行と分かっているので、お話自体ももう折り返しを過ぎている訳ですが、これからどう展開していくのか。
もう2016年時点でまりなちゃんは死んでしまっているし、タコピーも時を遡る手段を失っている。
前に進んでいくしかない状況で、最後に現れたのは東くん。
一縷の望みが見え隠れしていますが、ここから少しでもハッピーな方向へ…行けるのか?

でもなぁ、まりなちゃん殺害の疑いの目がしずかちゃんに向かっているので、怖いという気持ちは消えないし、タコピーが自首したところで宇宙人だしなぁ…みたいな。
話の落としどころ次第で、作品の印象がかなり変わると思います。
怖さ半分、楽しみ半分ですね。