アラフォーでニートになりました。

アラフォーで会社を辞めさせられ、未来が見えないニート(という名の自営業)が奮闘したりしなかったりするブログです。

「タコピーの原罪」16話(最終回)感想 タコピーがいたからこそ起きた奇跡

最終回、読みました。
読む前は
「本当にこれでハッピーな終わり方になるのかな」
「あと1話でどうやって締めるのかな」

とか、

「下巻の書影が仲直りリボンを結んだまりなちゃん(上巻のしずかちゃんと対になっている)だから、なんとかなるのかな」
と思いながら公開を待っていましたが、

端的に言って、とてもいい終わり方だったなと思いました。

shonenjumpplus.com

そんな訳で、感想をしたためます。
いつものように、息を吸うようにネタバレしているので、作品を読んでからの閲覧が好ましいです。

どうぞよろしくお願いします。

環境は変わらなくても、タコピーの存在と行動の痕跡が変えたもの

最後の巻き戻しの後、しずかちゃんもまりなちゃんも東くんも、家庭環境などは何も変わらなかった。
けれど、時間を巻き戻すまでのタコピーの頑張ってきたことが、3人に影響してその行く先を変えたのが、すごくよかったです。
タコピーは人間の社会のことや情緒などを知らず、話を聞かなかったり余計なことをしたりと、とにかく賢いことはできなかったけれど、ただしずかちゃんやまりなちゃんの笑顔のために頑張っていた。
その頑張りが、無駄にならず少しでもいい方向に影響していて、しずかちゃんとまりなちゃんが断片的に残された痕跡を通じて話ができて、関係性が変わっていけたというのがもう、本当によかったねぇ…と。

東くんもお兄さんと喧嘩したことによって、その話題でクラスの子たちと仲良くなって、しずかちゃんやまりなちゃんとは交わらない未来に進んで。
東くんのお母さんも相変わらずなんだろうけど、お兄さんや友達のお陰で鬱屈した道から脱却できたんでしょうね。

しずかちゃんやまりなちゃんも家庭環境は何も変わっていなくて、それでもタコピーという存在を通じて「おはなし」ができたことで、一緒に希望のある2022年を過ごしている。
タコピーは始めから「おはなしがハッピーを生む」と言っていたけれど、その頃はタコピー自身もその大事さを本当は理解できていなかったのかも知れない。
でも、沢山のことを経験したタコピーの最終的な決断が、2人の「おはなし」に結びついたのを見て泣いてしまいました。
まさかこの漫画で泣くことになるとは。

ラストのシーン、今度はチャッピーが死なずに済んで、まりなちゃんのお母さんに傷付けられた頬の傷は変わらないけれど、独りぼっちではなく隣には身だしなみを整えたしずかちゃんがいて、2人が笑い合えていたのを見られて感無量でした。

こういう結末になったのが、ハッピー道具によるものじゃなくて、タコピーの気持ちや努力のお陰だというのが好きです。
タコピー自身は消えていなくなってしまったけれど、この2人の様子を見ると浮かばれたんじゃないかな、と思いました。

彼女たちを取り巻く現実や環境は、まだ厳しい部分もあるけれど、この先も生きて大人になって、幸せになって欲しいですね。

あと、最終回と一緒に公開されていた作者のタイザン5先生のインタビュー記事も面白かったです。

rookie.shonenjump.com

陰湿なドラえもん……。
あと「UNDERTALE」(ゲーム)お好きなんですね。
いくつか挙げられた作品の中で知っているものがあっておお、となりました。
なんだか分かります。
後で、作者さんの他の作品も読んでみようかなと思っています。